181201 事業承継学会にて報告しました

2018年12月1日(土)、第9回事業承継学会の年次大会が名古屋商科大学名古屋キャンパスにて開催されました。

当社からは、「幸せなM&Aを行うための5か条 ~事業承継M&Aが陥る危機と回避法~」というタイトルで、実務家の立場から事業承継M&Aに関与する中での課題、その解決のためのあり方などの問題提起をさせていただきました。

事業承継にかかるM&Aに関連して申し上げたのは下記の5点でした。

(1)世代交代マネジメントのプロセス
事業承継についての問題を論じるときのスタートラインが「後継者がいるのかいないのか?」となっていることへの問題提起。今後ビジネスはどのような戦略シナリオが必要になるのか、そこでリーダーに期待される役割と資質は何か、それを満たす人材をどう確保するか、というアセスメントが先に必要。
その上で親族などの後継者がいればいいが、親族がその役割を担えない場合に、無理やり継がせるのが良いのか?

(2)M&A実施にあたっての優先事項
M&Aをやるときに何を大事にして引き継いでいくのか、を明確にしないままM&Aになだれ込むケースへの警鐘。
ビジネスの維持・発展なのか、新しい時代にあったビジネスモデルへの転換なのか、従業員の雇用なのか、譲渡価格なのか。

そのためにもSeller's DDが重要。


(3)ストラクチャー

両社のニーズを満たすべくストラクチャーを柔軟に考えているのか。何を実現するのかによってストラクチャーは変わる。これを一緒になって考えてくれるアドバイザーがいるのか。失敗事例、成功事例を交えて説明。

(4)PMI

PMIの成功・失敗の分かれ目はディールがクローズしたあとのPMI。事業運営やコミュニケーションなど、ヒトにどれだけ着目した心配りと動きができるかが最大のポイント。ただ、「事業のことはわかっている」との安易な見方でPMIをおろそかにして失敗する例も。


(5)M&A仲介会社の活用
プロであるM&A仲介会社、アドバイザーの活用は重要だが、これが「真に信頼に足るアドバイス」ができているか? アドバイザリーサービスの業務品質と、アドバイザーの品格の具備が必須。

顧客の利益最大化(価格の最大化ではないし自己の利益でもない)を目指した忠実義務をどれだけ果たしているか。多額のフィーをいただくに値する信頼と安心を提供できているか?


これらへの対応として、Trusted Advisor(真に信頼に足るアドバイザー)の必要性、真に関係者の利益を極大化させるM&Aアドバイザーの自己規律の強化、忠実義務の徹底という点でコメントしました。