【企業視察レポート4】フジドリームエアラインズ(鈴与グループ)

ファミリービジネスの企業視察レポートですが、静岡県のトップクラスの老舗ファミリービジネスである鈴与グループのフジドリームエアラインズさまを訪問し、お話を聞かせていtだくことができました。今回はその内容についてレポートします。

鈴与グループ概要説明

 鈴与グループは約140社、10800人が勤める静岡市最大規模の企業グループです。

 事業としては、①物流(港湾、トラック、倉庫など)、②商流(エネルギー、建材・セメント・化学品、石油販売など)、③建設(建設、ビルメンテナンスなど)、④食品(水産加工品、マヨネーズ等)、⑤情報(IT、荷物管理、データストレージなど)、⑥航空(FDA、ヘリコプター)、⑦社会貢献(清水エスパルス、エスパルスドリームプラザ(大型商業施設)、静岡理工大など)の7分野に展開しています。

 1801年以来創業220年。代々「鈴木与平」を襲名し、現在の社長が8代目。回船問屋に始まり、お茶の輸出を支えるものとしての清水港の発展から、石炭、水産物、みかんなど扱いを拡大させて現在に至っており、清水の歴史をともにつむいでいる企業です。

 大切にしている理念は「共生(ともいき)」。6代目与平社長の時代から使っている考え方。企業は一つの企業として自立しなくてはいけない。社員一人ひとりもまずは一人前の社会人として自立したうえで、その力を合わせて社会活動を営む、ということ。自立した者が貢献することで初めて周りに良い影響を与えることができる、という考え方です。

 社会との共生:本業を通じての社会貢献+企業としての貢献活動

 お客様・取引先との共生:お客様に喜んでいただける良質のサービス

 社員同士、グループ各社の共生:相手に依存することなく自らたち、そのうえで信頼、協力、切磋琢磨して成長する


「共生」の事例としては下記のようなものがあるとのこと。

 清水食品(SSK):ツナ缶の製造は失業者対策、当時原価の安かったビンチョウマグロを有効活用すること、また輸出して外貨を獲得することなどをさまざまなかたちで貢献する事業としてスタートしたもの。また魚の内臓を活用したインシュリン製造も清水製薬にて行った(清水製薬は売却済)。

 清水エスパルス

 FDA:地域を結び地域の人に喜んでいただく、静岡に新しい空の港を創る



フジドリームエアラインズ(FDA) 概要説明

 続いて、今回の訪問場所でもある「フジドリームエアラインズ」についての概要です。

 FDAは2008年に設立、2009年に静岡空港開港と合わせて就航。2010年に名古屋・小牧空港、長野・松本空港に就航して拡大(JAL破綻で国内地方路線から撤退した後を継ぐかたちで展開)しています。

 スローガンとして「地参地翔」とし、地方と地方を結ぶ交流の懸け橋を目指しています。

【当社の特徴】

最新の機材を使用することで安全性を確保

・ ブラジルのエンブラエル社の機体

・ 自社でフルフライトシミュレーターも導入、安全のこだわりを持ちパイロット、整備士を育成。

・ 地域間のネットワークの構築

・ LCCとは異なるリージョナル航空というセグメントを構成

・ 機内サービスも実施(地方の名産などを提供することで地方をアピール)

・ 独立自主経営を行うことでポジションを確立

 課題は知名度。東阪に乗り入れていないことから名が知られていない点は今後の課題とのことでした。(ぜひ広く知っていただきたいですね!)

フライトシミュレーター見学

そのあとは、最新のフライトシミュレーターも見学させていただきました。

 カナダのCAE社製のフライトシミュレーターを導入しています。シミュレータのみでパイロットのライセンスが取れるくらいのレベルの高いものです。

 CGにてさまざまな空港の光景を映写しながらの訓練が可能だそうです。

 訓練は、パイロット初任者の研修だけでなく、非常事態の飛行訓練などを定期的に行うことにより、緊急事態にも耐えうる操縦技術を身に付けるための定期的に行っているとのことです。

 今回は訓練が行われていない日であったこともあり、特別にフライトシミュレーターの内部も見せていただくことができました。


航空博物館見学

 鈴与グループに静岡理工大学を有するが、同大学の付属の航空博物館としてFDA本社に隣接。大学教授にご案内いただきました。

 戦前からの日本の航空技術に関する貴重な資料を保有。もともと交通博物館(神田)などにあったものが、鉄道博物館に衣替えする中で対象からはずれた航空関連の貴重品を大学にて引き継いで保管・展示することになったとのことです。
 展示は大変充実しており、多くの方に見ていただければと思います。



さまざまな方々のご厚意により、今回の視察が実現しました。関係した皆さまに感謝申し上げます。