241215 西村商店(佐賀)のSDGsへの取組み視察

2024-12-15

株式会社西村商店は、佐賀県三養基郡上峰町に本社を構える企業で、主に鉄・非鉄金属のリサイクル事業を展開しています。

 

同社は、限りある資源を有効活用するため、地域の企業から金属スクラップを買い取り、製鋼所や精錬所へ供給することで循環型社会の構築に貢献しています。

 

 

2020年5月には、持続可能な開発目標(SDGs)に基づく企業行動憲章と2030年に向けたアクションプランを策定し、環境負荷の低減や地域社会との共生を目指した活動を推進しています。

 

 

また、地域資源の活用にも力を入れており、アップサイクル事業として、金属スクラップを活用したメタルインテリア、アクセサリーの製作・販売を行っています。 これにより、廃棄物に新たな価値を見出し、持続可能な社会の実現に寄与しています。

 

 

さらに、地域貢献の一環として、2022年5月に佐賀県神埼郡吉野ヶ里町に認可外保育園「三神ほーぷ保育園」を開園しました。 この保育園は、待機児童問題の解消を目的とし、0歳から2歳児を対象に質の高い保育サービスを提供しています。その後、2024年11月には「ステラキッズ三神」として場所を変えてオープンし、0歳から5歳児までの一貫した幼児教育施設として地域の子育て支援に取り組んでいます。

 

 

 

 

金属リサイクル事業

 

西村商店は、鉄・非鉄金属を中心とした廃棄物を回収・再資源化する事業を展開しています。建設現場や製造業から出る廃材やスクラップを効率的に回収し、選別・加工を行うことで、原材料として再び利用可能な状態にします。

 

産業廃棄物の処理過程では、廃棄物が適切にリサイクルされることに重点を置き、環境負荷を最小限に抑える取り組みを実施しています。これには、高性能な設備を導入して排出物を効率的に処理し、廃棄物の減量化やリサイクル率の向上を図ることが含まれます。

 

 

廃棄物処理の流れを明確にし、処理プロセスの透明性を高めています。これにより、法令遵守だけでなく、顧客に対する安心感も提供しています。

 

地元企業や自治体と連携し、地域内の廃棄物管理を効率化。短距離輸送によるCO₂排出量の削減や地域雇用の創出にも貢献しています。

 

 

 

 

アップサイクル事業

 

同社では、金属スクラップを活用したアクセサリーやインテリア製品の制作・販売というアップサイクル事業も手掛けています。

 

西村商店では、廃棄される金属スクラップに新たな価値を加え、アクセサリーとして再生させています。これらのアクセサリーは、現代的でおしゃれなデザインが特徴で、リサイクル素材から生まれたとは思えないクオリティを持っています。ピアスやネックレスなど、さまざまな種類の商品が展開されています。

 

 

インテリア製品としては、金属の特性を活かしたユニークなデザインの家具や装飾品が提供されています。これには、金属の質感を活かしたランプシェードやテーブルなどが含まれ、一般家庭から商業施設まで幅広く活用されています。

 

製品デザインには「持続可能性」と「環境への配慮」が組み込まれています。廃棄物をそのまま活用するだけでなく、洗練されたデザインに仕上げることで、長く使える製品を提供しています。

 

 

こうした商品は、アップサイクル製品を通じて、「廃棄物にも価値がある」というメッセージを発信しています。これにより、消費者にリサイクルの重要性を啓発する活動も行っています。

 

 

 

「ステラキッズ三神」運営

 

「ステラキッズ三神」は、佐賀県神埼郡吉野ヶ里町に位置する幼児教育施設です。地域の待機児童問題の解消を目的に、2022年5月に開園した「三神ほーぷ保育園」を「ステラキッズ三神」として場所を変えてリニューアルオープンし、0歳から5歳児までの一貫した保育・教育を提供していく予定です。

 

 

保育理念「共育」

核家族化や共働き家庭の増加に伴い、保育園は働く保護者にとって必要不可欠な存在となっています。「ステラキッズ三神」では、保護者と保育者が協力し、子どもたちを共に育てる「共育」を理念としています。保護者が社会で生き生きと活躍する姿を子どもたちに見せることで、子どもたちも自己肯定感を高め、健やかに成長することを目指しています。

 

 

保育方針「個の尊重」

幼少期は個性を大切にし、自己肯定感を養う重要な時期です。小規模保育の特性を活かし、一人ひとりの発達に応じた手厚い保育を行うことで、自分を愛し、他人も愛せる子どもの育成をサポートしていきます。

 

 

共主体保育の実践

一斉保育と自由保育のバランスを重視し、子どもの主体性と大人の指導を調和させた「共主体保育」を実践していきます。子どもの意見を尊重し、選択の機会を提供することで、主体性を育むとともに、集団生活で必要な社会的ルールも学ばせることとなります。

 

 

地域との連携

施設全体を「ステラテラス」と名付け、1階には地域住民も利用できるフリースペースを設置する予定です。ここでは、地元の新鮮な野菜や手作りのお惣菜を提供するカフェを運営し、育児経験豊富なスタッフによる子育て相談も行います。これにより、地域全体で子どもたちを育てる環境づくりを推進します。

 

 

質の高い保育内容

絵本の読み聞かせ、リトミック、体幹トレーニング、特別な給食プログラムなど、多彩なプログラムを通じて、子どもたちの心と体の成長を促しす。これにより、社会で生き抜くためのスキルを身につけることを支援します。

 

 

安全対策の徹底

子どもたちの安全を最優先に考え、厳重なセキュリティ対策を講じます。フリースペースとは別の動線を設け、近隣住民との連携を強化することで、不審者の侵入を防ぎ、安全な保育環境を実現します。

 

 

「ステラキッズ三神」は、保護者と地域社会が一体となって子どもたちを育てる場として、質の高い保育サービスを提供し続けています。これにより、子どもたちの可能性を最大限に引き出し、未来を担う人材の育成に寄与しています。

 

 

 

 

Ribbon事業

 

株式会社西村商店では、地域資源の活用と環境保護の観点から、イノシシの肉の食用への活用としての商品開発を進めています。この活動は、地域課題である野生動物被害の軽減と、持続可能な資源利用を目的としています。

 

 

佐賀県やその周辺地域では、イノシシやシカなどの野生動物による農作物被害が深刻な問題となっています。特に佐賀県は野生鳥獣による被害の7割以上がイノシシによるものとのことです。年間2万頭以上のイノシシが駆除されるにもかかわらず、1割しか食用利用が進んでいない状況です。

 

 

西村商店は、この問題を解決するために捕獲された野生動物を「地域資源」として活用し、廃棄物の削減と経済的価値の創出を目指しています。

 

具体的には、イノシシの肉を使ったキーマカレー、麹味噌づけのしし肉丼の具を開発、地域イベントでの料理の提供や冷凍食品としてのオンラインショップでの販売、さらに将来的には道の駅での販売なども手掛ける予定です。

 

 

 

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このようなすばらしい事業展開を行い、さらにさまざまな形で地域のために貢献していこうという姿を強めている同社の経営は、女性社長である西村明美さんとお嬢さまで専務取締役を務める雪竹あゆみさんが親子で推進しておられます。お二人ともデザインや人の幸せを大事にされ、地域のためになることを幅広く取組みたい、(目先は利益にならなくても)地域に貢献することを事業としてどんどん行っていきたいという意欲と行動力はすばらしいと感じました。

 

 

12月には産業廃棄物事業から環境を軸とした地域中核企業へと成長した石坂産業(埼玉県三芳町)も視察に訪れ、石坂典子社長とも意見交換を重ねられる等、さらなる進化に向けて自信をつけておられます。

 

 

 

これからの西村商店さんの進化がますます楽しみです。

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