コラム・活動レポート

250823 「跡取り娘のための事業承継講座」を開催しました

2025年12月23日 14:15

―“家業を継ぐ”を、自分らしいキャリアと誇りに変える6ヶ月― 

日本跡取り娘共育協会は、2025年4月~8月にかけて、全国から参加した跡取り娘たちとともに、全6回の「跡取り娘のための事業承継講座」を実施いたしました。 

創業者や現経営者の思いを受け継ぎつつ、次の時代に向けて家業を進化させていく。その責任と希望を両立するのが「跡取り娘」という存在です。本講座は、女性後継者が知識・心構え・仲間・未来像を手にするためのプログラムとして開講しました。 

受講生は製造業、サービス業、卸小売、建設・不動産、食品、医療関連など多様な業種から参加。家業の規模や業歴も異なり、まさに日本のファミリービジネスの多様性と力強さを体現するメンバーが集いました。 

■ 講座のコンセプト 

「継ぐ」はゴールではなくスタート 

跡取り娘たちが直面するのは、単なる引き継ぎ業務ではありません。 

  • 「家族関係」 

  • 「会社の歴史と文化」 

  • 「経営の意思決定」 

  • 「オーナーシップと株式」 

  • 「金融と税務」 

  • 「自分らしいリーダー像」 

多面的で奥深いテーマです。本講座では、実務と内省を行き来しながら、“跡取り娘としての道を、自分の言葉で描く”ことをゴールにしました。 

■ 講座の流れと学び 

▼ Day1:ファミリービジネスの本質と歴史を知る 

  • 日本の地域経済を支えてきた家業の意義 

  • スリーサークルモデル(家族・事業・所有) 

  • 価値観と創業者の思いを紐解く 

「“こんなもんだ”と思い込んでいたけれど、我が家の事業には強みと誇りがある」 

という気づきが広がりました。 

 

▼ Day2:財務基礎とビジネスモデル理解 

  • 決算書の読み方と財務分析 

  • 自社の強みと市場構造を理解する 

  • 同族企業が勝てる領域の見極め 

数字は怖くない。数字は未来を描くための言語。 

という視点が育ちました。 

 

▼ Day3:家族、価値観、ジェノグラム 

  • 家族の歴史とパーパスを紐解く 

  • 親世代との対話と役割の整理 

  • “私が継ぐ理由”の探求 

「家族の痛みも誇りも、承継の大切な要素」という声も。 

 

▼ Day4:オーナーシップ・事業承継スキーム・M&A 

  • 自社株式・税務・資本構成 

  • 親族・社内承継と第三者承継 

  • 譲渡と買収、両面の視点 

「知識がないと、専門家に流されてしまうリスクがある」 
「M&Aはオーナーの意思と判断軸が最も重要」 

学びを通じて、金融リテラシーと経営責任が深まりました。 

 

▼ Day5:ビジョン、パーパス、セルフブランディング 

  • 価値観を軸にしたリーダー像 

  • 自分の経営観と言葉を磨く 

  • 外部発信と“跡取り娘の存在意義” 

“跡取り娘である前に、ひとりのリーダーである”という自覚が芽生える時間 

 

▼ Day6:未来宣言とプレゼンテーション 

  • 未来の家業ビジョン発表 

  • 仲間からのエールと伴走宣言 

  • コミュニティとしての継続 

涙と笑顔、そして拍手で幕を閉じた最終回。「ここが原点になる」という言葉が数多く語られました。 




■ 講座を終えて:跡取り娘が地域を変える 

家業を継ぐことは、「家族の想い」と「地域の未来」をつなぐこと。 

本講座で出会った跡取り娘たちは、自分の言葉で未来を語り、実行する準備が整いました。 

今後も、学びと対話と伴走を通じて、“自分らしい承継”と“愛される会社づくり”を支えてまいります。