
250606 大阪・関西万博を視察
2025年12月23日 13:56
―「未来の都市」を感じ、世界の潮流を学ぶ一日―
2025年6月6日、大阪・関西万博を訪れました。
今回の視察の大きな目的は、未来社会に向けた世界の挑戦を体感し、社会価値創造の視点をさらに磨くことです。
特に、以前よりご縁をいただいているカナデビア社が参画している「未来の都市」パビリオンを中心に見学し、同社が描く未来像と社会課題解決への取り組みを現地で感じてきました。
加えて、フランス館、シンガポール館など複数のパビリオンも訪問し、各国が示す未来の価値観と技術、そして文化的アプローチに触れる大変貴重な機会となりました。
■ 「未来の都市」パビリオン
―社会課題に向き合う技術と思想の融合
まず訪れたのは、カナデビア社が主要展示に関わる「未来の都市」パビリオンです。
パビリオン全体のテーマは、“持続可能で人間中心の都市づくり”。展示の核となっていたのは、
環境に優しいエネルギーと循環型インフラ
多様な人が活躍する包摂型都市
デジタルとリアルの融合した生活空間
健康・ウェルビーイングが中心にある街づくり
といった未来都市構想です。
特に印象深かったのは、先端技術をただ誇示するのではなく、 “人間の幸福と持続可能性を中心に据える”という姿勢でした。
都市を「効率化すべき機械」と捉えるのではなく、“人のつながりと豊かさを育む場”と位置づけている点に共感しました。
展示の中では、都市が抱える課題(高齢化、労働力不足、移動、環境負荷、多様性、地域コミュニティの希薄化など)に対し、
技術 × デザイン × コミュニティ × サステナビリティ
という、多面的・包括的アプローチが示されていました。
一企業の技術展示を超え、未来社会へのビジョンと責任、そして希望を感じる内容であり、これからの地域づくり・企業経営において重要な視座を得ました。
■ フランス館
―文化と生活の美学が導く未来像
フランス館では、文化的価値が未来を形づくるというメッセージが強く伝わってきました。フランスらしい美意識、芸術性、哲学的問いかけが随所に盛り込まれており、
文化とテクノロジーの融合
創造性と人間性の尊重
生活とアートの一体化
未来を“感じ、味わう”体験
といった独自の視点を体現していました。
特に、「人の幸福をどう定義するか」というテーマが印象に残りました。
単に便利で効率的な未来ではなく、感性・芸術・関係性を豊かにする未来。
日本のものづくりや文化にも通じる価値観であり、“ウェルビーイング経営”を志向する私自身の関心とも響き合うものでした。
■ シンガポール館
―小国から未来国家への挑戦と統治思想
シンガポール館では、国土の制約を逆手にとった大胆な社会設計と国家戦略が示されていました。
都市の立体活用
グリーン&スマート都市計画
多文化共生
教育・人材育成への投資
食・水・エネルギーの自立化
これらの取り組みからは、国家経営そのものが“未来の実験”であるといった迫力が伝わってきました。
印象的だったのは、展示が「技術説明」ではなく、**“社会システムの未来像”**を語る内容だったことです。
強い問題意識と未来志向、そして人材投資の哲学にも触れることができ、非常に学び多い時間でした。
■ 総括:未来は「技術×人×文化」の共創でつくられる
今回の大阪万博視察を通じて、強く感じたことがあります。それは、未来をつくるのは技術だけではないということ。技術、文化、思想、そして人の営みが重なり合うことで、初めて新しい社会は形になる。
各国の展示に共通していたのは、
テクノロジーは“目的”ではなく“手段”
人間性・文化・感性の重視
多様性と共生
未来を信じ、創りにいく姿勢
という価値観でした。
私は、いま企業経営の支援、ファミリービジネスの後継支援、地域プロジェクトに携わる中で、今回の視察から得たインスピレーションを強く感じています。
未来は、企業と地域、そして一人ひとりが共に描き、共につくるもの
その視点を大切に、引き続き活動してまいります。
■ 最後に
今回の視察を実現いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。
今後も国内外の先端事例と思想に触れながら、未来志向の経営・地域づくりに貢献していきたいと思います。
次回はぜひ、皆さまと同じ視点を交わしながら、また未来を語り合える機会を楽しみにしています。