コラム・活動レポート

251015 企業研修に価値観カードを使ったワークショップを導入

251015 企業研修に価値観カードを使ったワークショップを導入

2025年12月25日 09:21

この度、当社では株式会社ColorVariation(代表:岡本悠祐氏)が開発した「カラバリューカード(価値観カード)」を活用した企業研修を開発、実施しました。


ポストコロナの組織環境下において、働き方が変わりリモートワークも多くなった結果、社員間の「お互いの人となり・価値観への理解」が希薄化し、コミュニケーションが疎遠となる兆候を捉え、「カラバリューカード(価値観カード)」を活用し、社員同士が自身の価値観を振り返り、言語化し、相互に理解を深めるワークショップを実施しました。

カラバリューカードとは、参加者にカードを配り、「自分にとって重要な価値観を残していく」プロセスを通じて自己内省を促し、さらにその手元のカードを用いて他者との対話を行うことで、価値観の言語化・相互理解を深めるワークツールです。実際には、①カードを引く →②「捨てる」手続きを通じて手元に残す5枚を決定 →③残った価値観をなぜ選んだかを説明 →④他者からその価値観に対する質問を受け、さらに深掘りする、という流れで構成されました。



研修実施対象は、拠点は一カ所でありつつも、リモート・ハイブリッド勤務が常態化しているA社(匿名)を想定。全社員約30名を2回に分け、集合研修(半日)という形で実施しました。


研修冒頭では、講師より「働く上で私たちを動かしているもの=価値観」「それを共に語り合える関係性が信頼を育む土台である」という背景を共有。続くカードワークでは参加者それぞれがカードを選び、5枚を残し、理由を共有。次にペア・グループで、「そのカードを選んだ背景/過去のエピソード/普段意識していること」などを相互に質問し合う対話を行いました。さらに、それぞれの「仕事へのこだわり」を2人ずつで対話を重ねるなどしながら、多くの社員との間で自己開示しながら相互理解を深めることができました。


振り返りでは、「相手のカードを見ることで“あ、この人はこういう価値観で動いていたのか”と改めて理解できた」「普段話さない部署のメンバーの人生観が聞けて驚いた」などのコメントが出ました。



社員からの声も非常にポジティブでした。例えば、


「普段、管理部門とフロント部門で仕事の話しかしていなかったが、このワークで“どういう価値観を大事にしているか”が見えて、今後の連携がイメージできた」

「自分が選んだ価値観を言葉にして話すのは照れくさかったが、意外にスムーズに自然な会話になった。もっとこういう対話があっていいと思った」


こうした感想からも、研修が“お互いを人として理解する・価値観を共有する”きっかけとなったことがうかがえます。


本ワークショップを通じて、当社としても、以下のような示唆を得ました。


  • 価値観を「見える化」し話題化することで、業務上の関係ではなく“人対人”の信頼の種を蒔ける。

  • 部署・拠点の垣根を越えて価値観を語り合うことで、組織内の共通基盤(共通言語)を創出し、ソーシャルキャピタルの強化に繋がる。

  • リモート環境下では、電子的なやりとりが中心になりがちだが、価値観対話のような“心の距離”を動かすワークがコミュニケーション再構築の起点となる。


今後、当社では本カードワークショップを社員研修、プロジェクトチーム形成時のキックオフ、社員総会などに横展開し、「価値観対話のルーティン化」を図っていきたいと思います。また、ワーク実施前後で社員の“組織内つながり感”や“対話の頻度・満足度”を定点調査し、継続可能な仕組みとして設計を進めてまいります。


以上が、今回導入したカラバリューカードワークショップの概要と成果、得られた気づき・今後の展開に関するまとめです。引き続き、当社として“人と人とのつながり=ソーシャルキャピタル”を豊かに育む活動を推進してまいります。