コラム・活動レポート

251020 北海道中堅企業向け「フィードバック研修」開催レポート

251020 北海道中堅企業向け「フィードバック研修」開催レポート

2025年12月25日 09:49

10月20日、北海道の中堅企業にて、管理職を対象とした「フィードバック研修」を実施しました。3回シリーズのオンライン形式で、合計約40名の管理職の皆さまにご参加いただきました。 


今回の研修テーマは「評価を伝える場ではなく、成長を促す対話の場としてのフィードバック」。人事評価のフィードバックが、しばしば「結果の説明だけ」「評価に対する不満や戸惑いで終わる」といった形になりがち、あるいは「そもそもフィードバックができていない」といった現状に対し、「部下が未来に向けて一歩踏み出せる対話」に変えていくための考え方とスキルを学んでいただきました。 

■ フィードバック=評価では終わらない 

多くの企業で、評価面談が“結果通知の儀式”になりがちな傾向があります。 


  • 「評価を言うだけ」 

  • 「言いっぱなしで終わる」 

  • 「納得していない表情のまま、空気が重くなる」 


これは、管理職が本来担うべき人材育成の機会が失われている状態とも言えます。 
今回の研修では、「フィードバックは、社員が成長を実感し、行動に移すためのスタート地点」という視点を重視しました。 


フィードバックのゴールは 


  • 見通しがつく 

  • 動機づく 

  • 自信がつく 

    という未来志向の状態をつくることと明確に示しました。 

■ 行動科学に基づく気づき 

研修冒頭では、「痛み」と「快」の行動マトリックスから、人が変化できない心理構造について共有しました。現状維持バイアス、変化への不安、希望的観測など、誰もが持つ心の動きに触れることで、**「部下も自分と同じように感情を持つ存在」**であることを再認識するところからスタートしました。 


「このままではいけない」と思っていても、人は「痛みを避け」「快を求める」という原理で動いてしまう。 
だからこそ、管理職は指摘だけでなく「ありたい姿をともに描く支援者」である必要があります。 

■ 実践:フィードバックの4ステップ 


  1. 発見(行動と背景を見極める) 

  1. 感情(Iメッセージで丁寧に伝える) 

  1. 傾聴(理由や意図を聴き、共感する) 

  1. 期待(未来の行動を引き出す・支援を示す) 


この流れを、資料のプロセス図と具体例を参照しながら学びました。 

 ■ 参加者からの声 

受講後のコメントでは、次のようなフィードバックが寄せられました。 


  • 「評価を伝えるだけが面談ではないと気づいた」 

  • 「部下の行動の背景を聞くことで、関係が変わりそうだと思った」 

  • 「ネガティブを優しく伝える言葉を学べた」 

  • 「面談が“やらされる仕事”から“育てる機会”に変わると感じた」 


また、 
「フィードバックは勇気が必要だが、相手の未来を信じる行為だ」 
という印象的な声もあり、管理職としての姿勢そのものを問い直す時間となりました。 

■ なぜ今、フィードバックが重要なのか 

人口減少・採用難の時代において、「人を育てられる管理職=企業の競争力そのもの」です。 


特に北海道の企業では、エリア特性もあり、若手の採用環境や人材流動性の影響を直接受けます。だからこそ、既存の社員が成長し、やりがいを持ち続けられる組織づくりが欠かせません。 


今回の研修は、評価制度に沿って行う儀式ではなく、「心理的安全性と挑戦意欲を高める関わり方」を育む場となりました。 

■ 今後に向けて 

本研修は、管理職の皆さまが日常のマネジメントにおいて、 


  • 部下の強みを引き出し 

  • 成長意欲を育て 

  • 行動変容を促す 


ための習慣とスキルを磨く第一歩です。 

継続的な対話と実践を通じて、「人が育つ文化」「挑戦を応援する風土」を企業に根づかせていくことを、これからもご支援してまいります。