【企業視察レポート6】 石坂産業
2020-06-11
2020年6月11日(木)、女性事業承継者のコミュニティ「跡取り娘ドットコム」のイベントとして、埼玉県の石坂産業㈱の視察にいってきました。
石坂産業は、埼玉県入間郡三芳町にある産業廃棄物のリサイクル会社からスタートし、現社長の石坂典子さんが跡を継いで以降、「自然と美しく生きる」というスローガンのもと、k環境保全などにも取り組み、いまや循環型社会の中心拠点となっています。
廃棄物中間処理を行うプラントは完全に密閉され、外に粉塵が漏れるということもなく、またまわりは緑豊かなくぬぎの森として維持・発展しています。
【リサイクル工場】
当社では、他社がやらないことをやる、という考え方から、減量化、リサイクル化を98%実現。産廃屋らしからぬ産廃屋を目指してきました。
工場では、分別を徹底していますが、それは搬入の段階からです。持ち込まれる産廃が分別されていればいるほど、その後の処理もスムーズに行われ、負荷も下げることができます。そのような意識付け・行動を、当社だけでなく実際に産廃が発生する現場にも浸透させてきているのです。
廃棄物を乗せたトラックは載せている品目別のレーンに並んで、処理のためにプラントに入構するのを待つ、という形になっています。
工場内の見学通路から働いている従業員までの距離は非常に近い! 目と目が合うくらいです。工場見学を始めた当初は、従業員からの反発もあったそうですが、今は見られることで良い仕事をしようというモチベーションにもつながっているとのこと。
工場の中でも粉塵が舞うことで従業員の健康負荷をかけないように、スプリンクラーを回しながら業務が行われていました。
工場の外壁は壁面緑化。以前は単なる防音壁だったそうですが、環境を守る、という意識をすみずみまで徹底していく、という考え方から壁面緑化を導入されたとのこと。
「あるものを活かしきる」ということでは雨水を使ってミストや洗車に使っており、こういった工夫もコストをかけずにきれいな工場をつくる、ということにつなげているとのことです。
【サステナブルフィールド】
工場の周りの広大な敷地は、「三富今昔村 五感で学ぶサステナブルフィールド」として、ファミリーも楽しめるスペースになっています。
カフェ、パン工房、アスレチック、ツリーハウス、ハーブガーデン、ポートリーガーデンなど、自然と環境、食を楽しむ一大テーマパークのようなところです。
ショップにおいている商品も、ここで作られた食べ物のほか、サステナビリティを意識してつくられた良い品を並べています。
【ランチ】
ランチは、石坂オーガニックファームでつくられた、固有種の野菜をもとにつくられたもの。「落ち葉堆肥農法」で栄養ある土にこだわり、農薬、化学肥料を一切使わない有機農法で、安全でおいしい野菜つくりをしています。
環境を大切にし、食材も大切にし、そして食べる人の健康も大切にしたい、という思いのこもった「大人の給食」でした。
【経営理念に基づく経営】
最後に石坂典子社長にお話を伺う時間を作っていただきました。
・リニアに成長していく時代から、循環型社会への転換の時期。SDGsは単なる流行ということではなく、社会課題に向き合っていくその姿勢が新しい目線で評価されるようになる、ということ。
・誇りをもって働けるようになることが大事。
・新しいことをやっていくことで未来が開ける。
・地域に必要とされる会社になることが一番重要なこと。
・こうした考え方は、創業者が定めた経営理念に書いてあることであり、これを愚直に実行していくことに尽きる。
大変貴重な機会をいただくことができました。改めてありがとうございました。