【視察レポート】徳島サステナブルツアー 広沢自動車学校
2023-09-30
徳島サステナブルツアー、徳島で消費者庁のSDGs推進企業としてトップの評価で表彰された広沢自動車学校を訪問しました。
着座早々、まずは同社が社内で作ったビデオからスタート。
そこには、免許を取ることがゴールではなく、日本一のドライバーになるためのスタートを切り、ぴかぴかの免許を見せに来る卒業生達の笑顔、涙、決意があふれていて、観ている私たちまで心が震えて泣けてきます。「広沢母校」を掲げ、いつでも戻ってこられる第二の母校でありたいという。
同社は創業昭和38年。役員2名、正社員30名、パートアルバイト17名、役員含む合計49名の企業です。私たちは貸し切りバスでしたが、JR「徳島駅」より徒歩約10分という徳島の中でも便利な立地にあります。
現社長の祖川 嗣朗社長は2012年より専務取締役に就任。日本ファミリービジネスアドバイザー協会のアドバイザー認定プログラムの受講などを経て、2020年10月1日にお母さまから30代で事業承継。エネルギッシュな印象の方です。
自動車学校は、「免許を取得する場所」というイメージですが、「安全運転教育を学ぶ場所」で、特に初心運転者事故率の低下に寄与することが使命であり、全社員の動きが全てこの目的に紐づいています。この10年で初心運転者事故率を1.41%から0.61%へと半減させた実績をあげてこられました(数字はホームページより)。
「SDGsは目的ではなく手段です。」
経営者がコミットして、仕組を作ってやらせてあげれば、若手社員が活躍し、満足度が上がり、自然と売り上げが上がるもの。
経営者自らが目指す社会を映像化し、何度も何度も見せることで、理念が共有できてきた。
今では、学校の卒業生が、学校の理念に共感して入社してくれるようになったとのことでした。
しかし、現実には、少子高齢化、将来的に車が無くなる、自動運転になるなど、業界への逆風が待ち受けています。こういった未来のホラーストーリーを共有できる会社は強い。
同社では、このホラーストーリーに対し、先代の時代から社内で手掛けていて、すでに実績のある映像の事業が軌道に乗っているそうです。
「実績×社歴×IT」というベンチャーにはない強みと相性の良さを生き、やらない理由がなかったそう。
今では、映像制作サービスや動画クリエーター事業など、他の自動車学校とは違うメニューが並んでいます。そもそも会社案内の表紙に自動車の写真がありません。
とはいえ、古参の社員はどうしても新しい技術についていけない面があるため、こういった既存の技術を活かした新事業の立ち上げで活躍の場を提供することで、古参の社員の経験を活かすことに成功しているそうです。
祖川社長は、入社後、まずはカイゼンの余地が大きいフロント業務の改革からスタート。最初の3カ月こそ自身の役割に悩んだものの、現場に入って業務を一から棚卸し。経営者目線で業務の整理を行い、DXで時短することによって、実績を積み上げました。売上も増えたことで、若手の味方が増え、社員は変化に慣れていき、強い会社になった。会長からの信頼も厚くなったそう。
複数の組織を掛け持ちする祖川社長が同社の仕事に使う時間は、全体の約2割だけ。会社の業務のほか「教育立国推進委員会」の有識者として参加なさるなど、もはや一企業の社長というよりは次世代のリーダーとしての風格と覚悟を見せて頂きました。
感想:
肝は社長のフルコミットと、社員とのコミュニケーション。SNSでの思いの発信など、条件面だけではない社員の満足度を上げておられるように思いました。
バスを最後まで見送ってくださった社員さんのお姿が印象的でした。
私たちの質問にも真摯に、等身大で答えてくださった祖川社長のお人柄が素敵でした。(清水)
“君子は和して同ぜず”の言葉通り、積極的に飲みニケーションをとって、目線を同じくして声を聴き、経営判断は冷製に時に大胆に改革に取り組まれた市政には、相応の勇気と熱量をもって臨まれたと感じました。経営をしている人間には、とても共感と実践的な経験談として拝聴しました。(曲尾)