新入社員研修でSDGsを学ぶ意味とは?

2021-09-03

企業戦略コンサルティング、事業承継支援、SDGs浸透支援など「企業とそこで働く一人一人が輝くためのサポート」を幅広く行うソーシャルキャピタルマネジメントです。
SDGsについては皆さんすでに多くの知識をお持ちかと思いますが、1990年中盤以降に生まれたZ世代に至っては義務教育の過程で学んでいることもあり、“SDGsネイティブ”と呼ばれるほど理解は進んでいます。
そして、社会問題や環境問題に関心が高い“SDGsネイティブ”は、社会に出た時に様々なギャップに苛まれることがあるといいます。
「自分がやっているこの仕事は社会のためになっているのだろうか?」「社会貢献したかったけど、利益を求める企業に就職してよかったのかな・・・」など、いろいろ考えてしまうわけです。

これらのモヤモヤを晴らし、働くことの意義を理解し、自信をもって仕事に向かって行けるように、またこれから求められるビジネスの革新をSDGsへの理解を踏まえて進めていく原動力になることを目指して、私たちは新入社員研修にSDGs研修を取り入れる提案をしています。
今回は、ある企業で実際に行った新入社員研修の事例とともに、新入社員研修でSDGsを学ぶ意味や意義についてお話させていただきたいと思います。

なぜ新入社員研修にSDGs研修をおこなうのが必要なのか?

従来の新入社員研修の目的は、社会人として必要なビジネススキルとビジネスマナー、そしてビジネスパーソンとしての心得を学ぶことにありました。
これらは欠くことのできない要素ではありますが、他にも学ぶべき要素はたくさんあるのではないでしょうか。
新入社員は研修を終えて現場に配属されますが、日々の業務に追われる中で自分の仕事の意味や意義について疑問が湧いてくることがあります。
それはつまり、その会社で働くということが腹落ちしていないということです。「やらされている」という感覚が強くなってしまうと、仕事も面白くありませんし、そのような状態が続くとメンタル面でも課題を抱えてきます。

学生時代にSDGsを学び、社会的課題に対して意識が高いZ世代であればなおさらのことで、自社の活動が社会的課題の解決に繋がっているのか気にするのも当然です。
企業活動と自分の課題意識、この2つのギャップを埋めるためにも新入社員研修でSDGs教育が必要だと思っています。

従来の新入社員研修によって生み出される企業と新入社員のミスマッチの原因について

新入社員研修を終えて実務に入ると、「あれ、言っていたこととなんか違うぞ」と感じることがあるかもしれません。
新入社員研修で熱いトップメッセージや崇高な企業理念などを教え込まれたとしても、配属されたら現場は驚くほど成果主義だったり、上司は売り上げばかり気にしていたりと、このようにしてミスマッチは起こっているのです。
新入社員と、新入社員の先輩や上司にあたる既存社員とは、SDGsに対する理解度が違うことも原因の一つですが、新入社員研修で自社の活動を深掘りし、社会的意義までも含めてきちんと説明できていない研修プログラムにも原因があると思います。理解不足と説明不足、その両方ですね。

まず、シンプルにSDGs自体の理解を広めることが重要です。
新入社員だけではなく、全ての階層に対して共通認識を持ってもらうことです。
そして、マネージャーやリーダー層には、会社の未来について考え、自社の活動の社会的意義について説明可能になってもらうことです。既存社員と新入社員の課題意識を近づけ、研修後も同じようなマインドを持った人が上司としていることが理想なのではないでしょうか。

社会的課題解決はビジネスを通じて行うことがこれからの主流

働き方改革や企業のDX化により、私たちを取り巻くビジネス環境は大きく変わりました。
多様な価値観が認められ、個々が主体的に人生を構築できるようになると、企業のために、あるいはお金のために働くというよりも、仕事を通じて社会貢献することや自己実現することが大きな意味を持つようなってくるかもしれません。

今、私たちには解決しなければならない社会的課題が山ほどあります。
SDGsの中に含まれている17の目標、169のターゲット以外にも、毎日の生活の中で“気付き“はたくさんあり、それらに向かうアクションこそがビジネスを生む原動力になると思っています。
社会的課題解決とビジネスが乖離せずに、世の中のためになることをやって利益を生む。その考え方や方法論を学ぶことは、これからの時代に必要な教養と言えるのではないでしょうか。まだ見ぬ新しいビジネスの形を、私たち自身が創造しかなくてはなりません。

SDGsを学び、ビジネスとつなげて考えることの重要性について



SDGsは学ぶことが目的ではなく、学んだ知識をもとに課題解決のためのアクションを実際に起こしていくことが大事です。
社会的課題を学ぶまでは誰にでもできますが、それらに対して「すでにどのような取り組みがあるのか」「自分ならどんな解決をするか」、さらには「どのようなビジネスに昇華させることができるのか」というところまで掘り下げて考えることが大事です。

例えばこのようなプロセスはどうでしょうか。学んだ知識をもとに、社会的課題を見つけたら、フィールドワークとして街へ出ます。
実際にその課題に対して既にどのような取り組みがあるのか調べ、街の人の声も拾います。そして、あらためて解決のためのアイディアを出します。
さらに、そのアイディアをビジネスにするためにはどのような方法があるのか議論します。このように、観察や調査の中からファクトつまり事実を見つけていく作業は、デザイン思考そのものです。
感性による全くのゼロからの創造ではなく、ニーズを想定し、仮説をたて、検証し、仮説が間違っていないとわかったところで形(ビジネス)に落とし込むという作業です。
このように気付きを気付きとして終わらせずに、解決のためのアイディアをビジネスに昇華させることで、自分の仕事がSDGsと無関係ではないと実感できるのです。

ケーススタディとその結果について

今年の春に行った、ある企業の新入社員研修についてお話ししたいと思います。
総勢100名弱の新入社員に対して行ったのは、「社会課題とは何か?」という命題に対して、前半はインプットとして「実体験に基づく強い思い」を持ってもらうこと、そして「思いを実現させるためのビジネススキルの習得」、後半はアウトプットとして「社会課題を解決するためのビジネスソリューションの提案・プレゼンテーション」でした。
1チーム4〜5名のグループワークとし、約1ヶ月かけてそれぞれのグループが議論を展開しました。

SDGsの理解は進んでいる世代でしたが、それらは“使える知識”にはなっておらず、今回の研修を通じて、ビジネスソリューション(ビジネス提案)まで行うのは初めてという人がほとんどでした。
複数回にわたるフィールドワークやディスカッションなどを通じて、社会課題をビジネスに落とし込むまでの思考プロセスを体得できたことは貴重な体験だったと思います。

しかし、それにも増して意味を持ったのは、グループワークを通じて「他者の意見を尊重する姿勢」や「他者と協力することの大切さ」などを学べたことかもしれません。

以下は、事後の振り返りアンケートの一例になります。

・他者の意見に対する受容性をもっと向上させたい。自分の意見に拘り過ぎる節がある

・相手の立場に立って考えることの大切さがわかりました。これまでは相手本位だと自分自身で思っていても結局は自分本位になっていたという事に気付きました。これからは相手の根元に抱える思いを解決することに注力したいです。

・最も成長したのは、同期を本当に仲間だと思えるようになった点ではないかと思います。正直はじめは、ライバルとして強く意識していました。もちろん活躍したい・成果を出して誰よりも組織に貢献したいという気持ちは今もありますが、自分だけという思いはすぐになくなりました。私だけで出せる成果よりも、複数人で力を合わせて指す成果のほうが大きくなると数多のグループワークを通して感じたからだと思います。だからこそ、全員と仲良くして、いいところを見つけて、力を貸したい・借りたいと思えるような関係を構築したいと思い2か月間過ごしてきました。周囲の人を大切にしながら、誠実に今後仕事に取り組みたいと思います。

今回の研修を通じてビジネススキルだけではなく、価値観が多様化している現代社会を生きるための新たな視点を獲得できたことが彼らにとっては大きかったのではないでしょうか。
                                                                                                                                            

私たちソーシャルキャピタルマネジメントは、SDGsの達成にむけたアクションは極めて重要と考え、企業向け、学校向け等、SDGsの浸透、実践の支援を行っています。ご興味のある企業の研修担当者様、人事担当者様は是非お気軽にご相談下さい。

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