190501 令和元年を迎えて(2018年度事業報告を兼ねて)
2019-05-01
近況のご報告
拝啓 新緑の候 皆様におかれましては ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
2017年4月3日に「株式会社ソーシャルキャピタルマネジメント」を設立以来おかげさまで2年を経過し、無事「令和」の時代を迎えることができました。
皆さまの温かいご支援、お力添えを賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。
この場をお借りいたしまして、2018年度の業務の状況などご報告させていただきます。
経営戦略・M&A・ファイナンス分野
コンサルティング業務を通じ、企業・学校法人等の経営戦略、中期経営戦略の策定/浸透、具体的アクションのフォローアップ等をサポートさせていただいております。
M&Aでは事業承継に係るディールのアドバイザーを務め、2件無事クロージングまで迎えることができました。また、M&A後の統合マネジメント(PMI:Post-M&A Integration)をサポートする案件も担当することができました。
財務分析・ファイナンスについては、若手・中堅社員向けの企業研修を3~5回シリーズで行うなどのプログラムを提供させていただいたほか、グロービス経営大学院、日本大学大学院総合情報社会研究科にてコーポレートファイナンス講師として講義を担当させていただきました。
また、日本工業大学専門職大学院(MOT)では、「M&A」に関する講義をゲストスピーカーとして担当いたしました。
2018年2月からは、トーセイ株式会社(東証1部上場、不動産会社)の社外取締役も務め、コーポレートガバナンス面からの経営参画を務めております。
6月からは別の上場企業の社外監査役も務めることになる予定です。社外役員の立場で会社の発展、企業価値向上に貢献できるよう引き続き努めてまいります。
ファミリービジネス分野
後継者難の課題を中心とした事業承継は、日本経済の持続的成長のうえで不可欠のイシューとなってきましたが、当社でもファミリービジネスへの支援を大きな柱としてさまざまな取り組みを行って参りました。
一般社団法人日本ファミリービジネスアドバイザー協会(FBAA)では、執行役員を務め、ファミリービジネスを支援するアドバイザーを養成するとともにそのネットワークを拡大しています。アドバイザー養成講座は、従来から実施している東京に加え、2018年度からは大阪でも開催することとなり、そのプロジェクトリーダーも務めました。
なお、FBAAでのネットワーク拡大には、ファミリービジネス視察ツアーの企画運営も重要な要素になります。2018年9月には創業1300年に及ぶ法師旅館(石川県粟津温泉)に訪問、2019年2月には鳥取の老舗企業千代むすび酒造(境港市)訪問などを通じ、フィールドスタディを行いました。
2018年12月には、名古屋商科大学にて開催された事業承継学会において、学会発表の機会を頂戴いたしました。事業承継にかかるM&Aが急増する中、企業経営者としていかに取り組むか、仲介するアドバイザーにおける課題など、実務家の立場からご報告しました。
また、2018年10月からは、昭和女子大キャリアカレッジにて「跡取り娘人材養成コース」の講師を務め、女性の事業承継者の育成にも努めています。本コースは女性活躍推進×事業承継の両面からの支援プログラムとしてメディアでも注目されるものになりました。今年度も継続して実施していきます。この他にも、女性後継者育成にかかるプロジェクトを計画中であり、決まり次第お知らせしてまいります。
コミュニケーション・組織開発分野
企業成長の中で、重要な経営資源は社員であり、コミュニケーションの促進、エンゲージメントの強化は、組織が持てる力を最大限発揮するために必要不可欠な要素です。
当社では、パートナー企業とタイアップしての下記のような内容での企業研修への参画を通じて、活発なコミュニケーションが社員を成長させる組織作りの支援を行っています。
ビジネスコミュニケーション
プレゼンテーション&ネゴシエーション
ロジカルシンキング・戦略的思考
エンゲージメント&モチベーションマネジメント
社員意識調査・社員アンケートを通じて社員の状況を把握し、それを踏まえた施策を策定・実行する、という流れは、前述の経営戦略コンサルティングでも活用しています。
なお、産労総合研究所にて、経営企画・人事・組合の方々向けのセミナーとして「社員意識調査設計セミナー」を毎年開催しており、定評をいただいております。
SDGs推進への取り組み
国連が2015年に採択し、世界各国が共同して持続可能な世界を作るべくアクションを取っていく「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」の取り組みは、日本でもようやく活発に進められるようになってきました。
このエリアには、みずほ証券在籍時にも「21世紀金融行動原則」の起草委員会委員として参画する等高い関心をもってまいりましたが、2018年4月にSDGsカードゲームのファシリテーター資格を取得し、企業内ワークショップ、一般のビジネスパーソン向けのイベント、大学における授業への参画など20回近く実施してきました。
ゲームを通じてSDGsの世界観を体感することは、単に書籍や資料を読むよりSDGsの本質を理解し、自分ごととして動いていけるようになると好評です。2019年度も企業内研修、青年会議所における開催などを予定しています。
また、今後、「SDGs de 地方創生」という新しいゲームへの取り組み、SDGsビジネススクールへの参画などを通じて、本分野への取り組みをさらに強化してまいります。
新規事業開発にいかにつなげるか、会社の事業ビジョンをいかに再構築するか、など、SDGsコンサルティングのニーズも高まっており、これらにも対応してまいります。
ファミリービジネス×SDGsというのも大変親和性の高い分野であり、永続するファミリービジネスが目指してきた地元貢献、社会のためになる事業を継続させる、といった考え方はSDGsにも直結します。こうした観点から、「信州大学100年企業創出プログラム」にゲストスピーカーとして登壇し、「100年企業経営とSDGs推進」というテーマでワークショップを行いました。長野の地元企業を100年企業として永続させていくために、どのようなリソースを活用して、どのようなビジネスモデルを構築して社会に貢献するか、参加者のビジョン構築の大いに参考になったことと思います。
人的ネットワークのさらなる拡大:WAOJE
昨年に引き続き、今年もグローバルな視野拡大に努めています。
2018年6月に香港で開催された一帯一路ビジネスサミットにも参加し、日本にいたのでは得られない視座に触れることができました。9月には、日本人起業家のネットワークであるWAOJE(World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs)のグローバルカンファレンスがカンボジア・プノンペンで開催され、これに参加しました。
あわせて、プノンペン郊外のキリロム国立公園にあるキリロム工科大学を訪問する機会を得ました。カンボジア人・日本人の学生が英語でIT・IoT・ドローン・VRなどの技術を習得し実践的なプロジェクトを行っていますが、そのレベルの高さと英語でのプレゼンテーション力に圧倒されました。
ハピネス循環研究所の取り組み
2016年より活動開始した「ハピネス循環研究所」の「ハピネス循環セッション」も、2018年度も数多く開催しました。日本プロフェッショナルチアリーディング協会の髙橋さん、湘南VISION大学の片山さん、NPO法人オーシャンズラブの伊藤さんなど、明るく元気な社会創りに取り組んでいる方々をお招きしてのトークイベントは、お互いのインスピレーションを高め、前向きな意識・行動を起こしていくうえで大変有意義な時間を過ごせています。
以上、2018年度の事業報告とさせていただきます。
2019年度(令和元年度)も、従来にもましてのご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和元年5月吉日
㈱ソーシャルキャピタルマネジメント
代表取締役社長
小林 博之