201205 事業承継学会年次総会にて事例研究発表を行いました

2020-12-05

2020年12月5日、事業承継学会第9回年次総会において、「M&Aによる世界一の町工場ネットワークを目指して」とのタイトルのもと、事例研究を発表いたしました。

 

会場は同志社大学(京都市)でしたが、全国の参加者とオンラインでつないで開催されました。

 

中小企業における後継者難が叫ばれて久しい中、後継者が不在の中で経営者・経営幹部が高齢化し、ビジネスモデルが老朽化してしまうことで、事業そのものの存続を危うくしてしまう場合も多く見られます。

一方で、後継者が適切に経営・事業改革を行えば、もともと持っている技術力、事業素質が復活し、経営が承継されればその後の成長、発展が見込まれる先が少なくありません。

 

若い経営者がM&Aを通じて後継者難の課題に直面する企業の経営権を譲受け、社員も働き甲斐を高めて「世界一働き甲斐のある町工場ネットワーク」の構築を目指す事例として、㈱セイワ工業(三重県木曽岬町;2021年1月より持株会社㈱セイワホールディングスに移行)の事例を研究し、ファミリービジネスの新たな経営のあり方を提唱いたしました。

 

同社の事例は、ファミリービジネスの経営に対して下記のとおりさまざまな示唆を与えるものと考えられます。

  • 事業承継は早いうちに。若く活動力のある若手後継者に任せることで、企業が活力を取り戻し、発展することができる。
  • 経営人材はすべてを内部に頼ろうとしない。外部人材は、魅力あるストーリーが提供できればいくらでも手当てすることは可能。
  • ファミリービジネスの経営を筋肉質なものにしていくためにも、また外部目線をいれて緊張感を持たせる意味でも、社外役員の存在は重要(助言機能と監視機能)。
  • 経営が厳しい今だからこそ、M&Aで事業を拡大させる大きなチャンス。
  • M&Aを成功させるには、「キャッシュフロー」への厳しい目が重要。

 

中小企業のすべてが支援され、延命できる時代は終焉を迎えています。これからは経営基盤を強化する経営力のある中小企業に経営資源を集約させ、そこを維持発展させることが重要であり、また政府の方針もそのように転換していくように思われます。

 

中小企業としての特徴、良さを生かしつつ、M&Aを積極的に活用して経営力を発揮できる、同社のような企業がこれからどんどん生まれていくことを大いに期待したい、との発表をいたしました。

 

当日の発表内容の要約は、一般社団法人事業承継学会が発行する学会誌「事業承継」に掲載されれる予定です。


 
※セイワ工業訪問時。野見山勇大社長と。

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