220420 2021年度事業報告

2022-04-20

拝啓 陽春の候 皆様におかれましては ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

 

2017年4月3日に株式会社ソーシャルキャピタルマネジメントを設立以来、早いもので今年5周年を迎えることができました。
これもひとえに皆さま方の暖かいご支援、ご指導のたまものと深く感謝申し上げます。
2020年度の事業報告ができませんでしたので、コロナ禍での事業の状況を併せまして、2021年度の事業報告をさせていただきます。

 

当社の5年間の売上高推移は下記のグラフの通りとなりました。
2019年度は、コロナ禍の影響を受け、予定していた企業研修、コンサルティング案件が中止、延期になってしまいました。しかしながら、2020年度はオンライン研修の需要急増(対応できる企業研修講師がまだ少なかったこと)、企業研修に関するリピートオーダーの増加、大型プロジェクトの案件獲得などにより、売上高は約3倍となり、2021年度もおかげさまで堅調に推移いたしました。

 

【開業以来の売上高推移】

 

 

 

 

以下、各事業別にご報告いたします。

 

 

経営戦略・M&A・ファイナンス分野

経営戦略、M&A、ファイナンス等に関する業務は、①経営コンサルティング・顧問・プロジェクトサポート、②企業研修、③社外役員(取締役、監査役)としての関与、の3つを主たる方法として進めております。

まず第一に、コンサルティング業務としては、企業、学校法人等の経営戦略策定、中期経営計画の策定等を行っております。営業力強化、営業スタイル変革のニーズも強く、プロダクトアウトからマーケットインの営業スタイルへの変革、また社会課題解決を目指してビジネスを構築していくなどを、コンサルティング×企業研修のかたちでサポートしております。

 

M&Aアドバイザリーの分野では、事業戦略推進にあたりM&Aの活用が当たり前になってきている中で、適切な候補先の選定、相手先の状況を踏まえてのアプローチの内容およびアプローチ先を考えることも重要であり、そのようなマーケティングにあたってのアドバイスを行っております。

 

講師を務めるグロービス経営大学院では、引き続き「ファイナンス基礎」クラスを担当しております。授業の大半がオンラインクラスに転換してきた中、日本全国、さらに世界の受講生とつながり、受講生とのオンライン、リアル両方での関係作りは私自身にとっても得難い貴重な経験をさせていただいております。

3月には受講生たちと一緒にJリーグの観戦、応援、また奈良の老舗企業の見学にお邪魔しました。

 

 

 

企業研修

企業研修の分野では、階層別×ビジネススキル分野別のかけ算のもとで、非常に多岐にわたる内容を展開しております。

 

当社の特徴としては、クライアント企業の戦略、抱えている経営課題、受講生の状況に応じて臨機応変にカスタマイズする点にあります。

ロジカルシンキングやプレゼンテーションなどの研修においては、クライアント企業で日頃から感じている課題に即した演習・ケーススタディを行うことで、実践的な内容として対応しております。階層別では、新入社員、若手、中堅、新任管理職、新任部長、経営幹部と多様な層の社員に対し、それぞれの層に即した(あるいは一歩上の目線を展望した)内容で行っております。

 

2020年度より開始した、ある上場企業の新入社員研修「社会課題解決をビジネスソリューションで考えビジネスプランを構築して役員向けにプレゼンを行う」というプログラムも、2021年度も実施させていただきました。

 

さまざまな社会課題に向き合っているNPO団体、ソーシャルビジネスの方々のお話、フィールドワークの実施を通じて、社会課題を自分事としてプロジェクトに向かっており、SDGs時代の新入社員研修のあり方を体現したものになっています。

 

 

社外役員としてガバナンスを考える

社外役員としては、上場企業ではトーセイ株式会社(東証プライム市場)の社外取締役、東都水産株式会社(東証スタンダード市場)の社外監査役を務め、上場企業としてのコーポレートガバナンスESG経営のあり方等を考え、取締役会等を通じて株主共通の利益企業価値の向上を目指す経営に少しでも貢献できるように努力しております。

 

さらに非上場企業としては、株式会社プレスクの取締役副社長、株式会社セイワホールディングスの社外取締役を務めております。

特にセイワホールディングスは、多くの中小企業を事業承継M&Aによりグループ会社を増やし、グループシナジーの発揮により強い町工場ネットワーク作りを進めています。

 

【セイワホールディングスグループの入社式(2022年 4月)】

 

 

SDGs推進への取り組み

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、あっという間に認知度も高まり、今や企業経営の中でも不可欠のイシューとなってきました。

 

2021年度は、食品メーカー、IT企業、紙製品メーカーなど、さまざまな業種の会社(上場、非上場とも)でのSDGs推進プロジェクトのサポートをさせていただきました。
社員全体、またはプロジェクトメンバーにおけるSDGsの本質理解→当社のこれまでの取り組みの整理→当社としての事業に応じたマテリアリティの整理→優先取り組み事項の選定→具体的アクションの策定 というプロセスにしっかり向き合い、一緒に進めることができました。
その過程では、単なる講義、一方通行の会議ではなく、心理的安全性を整えつつ、多様な意見が出せ、それを反映したものにできるようなインタラクティブなワークショップを多用しています。

 

2021年度は、さらに大手旅行会社とタイアップし、全国のさまざまな地域でホテル・旅館の経営者、支配人等の方々に対して「旅館・ホテル業界としてSDGsにどのように取り組むか」を具体的にお示ししていく講演を数多く実施しました。ビデオ動画教材を通じての学び、講演会での話、ワークショップの開催など、多様な方法で皆さまにお届けすることができました。

 

なお、2020年12月に、SDGsに真摯に向き合いアクションをプロデュースしていくメンバー4人と共に「株式会社WATASU」を設立、小職は代表取締役を務めております。

SDGsに関するイベントプロデュースとしては、2021年3~4月に海ごみをもとにしたアート作品をアーティストや学生に制作していただき、藤沢市役所、みなとみらいマークイズ、三井アウトレット横浜ベイサイドにて展示させていただきました。

子どもたちを含む多くの方々にごらんいただくことができ、海ごみ問題を身近なものと捉えて自分の行動を変えていくための一助になったのであれば幸いです。

 

【海ごみアート作品】

 

株式会社WATASU では、このほか教育分野でのSDGsアクションとして、世田谷区にある国本女子中学校でのSDGsワークショップをプロデュースし、2021年度に3回のクラスで実施しました。

 

 

 

ファミリービジネス分野

ファミリービジネス分野では、2016年から参画させていただいている一般社団法人日本ファミリービジネスアドバイザー協会(FBAA)にて、2022年2月よりプレジデントを務めることとなりました。

 

同協会は、ビジネス、ファミリー、オーナーシップの3つの円(サークル)を調和的にマネジメントすることでファミリービジネスの永続的発展ビジネスとファミリーの相互の繁栄を目指すべく、専門家のネットワークを構築しています。プレジデントとして、会員・フェロー同士の熱のこもった交流を推進するとともに、さらに質の高い学びの場を提供していきます。

 

https://fbaa.jp/

 

 

代表理事を務める日本跡取り娘共育協会(跡取り娘ドットコム)では、女性の事業承継を支援する枠組みの進化と、跡取り娘の方々が互いの悩みを安心して話せる場作りを進めてきました。

 

跡取り娘界のロールモデルでもあるダイヤ精機の諏訪貴子社長に来ていただいてのプレゼン講座を開催する等のほか、「女性の事業承継」に関する政策提言を政府(中小企業庁、経済産業省、金融庁)、自民党等に行ったほか、夫婦別姓問題に関する女性経営者アンケートを2021年4月に行い、その結果を発表する等、積極的な活動を行っています。

2021年12月には「女性の事業承継の現状と課題」について、事業承継学会年次総会にて発表する機会を頂戴することができました。

 

https://atotorimusume.com/

 

 

 

これらに加え、2021年度からは、川崎信用金庫さまが長年開催している若手経営者塾「かわしん創発塾」の統括コーディネーターを務めることになりました。

 

30名以上の若手経営者たちが、お互いに学び合って創発するために、さまざまなゲストスピーカーにお越しいただいて意見交換する機会を作っており、2021年度は「ファミリービジネスマネジメントの実践編」ということで、ファミリービジネス経営者の方々にお越しいただき、多様なテーマでのインプットをいただきました。

 

2022年度も「ファミリービジネスの未来」というテーマで続いてまいります。

 

 

 

その他の取り組み:ソーシャルキャピタル創り

その他、ヒトと人がつながり、新たな価値を生み出す原動力をつくる試みは、こばひろファイナンスクラブ、ワールドダイニングツアーなどを通じて、引き続き精力的に行っています。

 

こばひろファイナンスクラブでは、ESGに関する意見交換に加え、日本フェンシング協会元専務理事の宮脇信介さんをお迎えしての「チームイノベーション」の勉強会なども開催しました。

 

https://www.facebook.com/groups/1702831416525056

 

 

ワールドダイニングツアーは、コロナ禍で集まれる機会は限られていましたが、オーストリア料理、フィンランド料理を楽しむ機会をつくることができました。

 

https://www.facebook.com/groups/390146621609159

 

 

 

CSR活動:クラシック音楽協賛(学生の学びの場の提供)

2021年度は、社会に貢献する新しい取り組みとして、クラシック音楽のコンサート、アーティストなどのマネジメントを行う㈱ジャパン・アーツさまと連携し、「学生サポートパートナー」として学生の皆さまに質の高い音楽に触れていただく機会をご提供することとなりました。

 

2022年1月には木嶋真優さん(Vn)、藤田真央さん(Pf)、3月には世界で活躍する樫本大進さん(Vn)、小菅優さん(Pf)のリサイタルに協賛し、学生さん延べ110名をお招きすることができました。

2022年度も、すでに松田華音さん(Pf)、高木凛々子さん(Vn)、塚越慎子さん(マリンバ)のコンサートへの協賛を決めており、ハピネスをお届けする活動をさらに拡大してまいります。

 

(樫本大進さん、小菅優さんと)

 

 

5周年を迎えて

2022年4月3日をもって5周年を迎えることを踏まえ、3月に「5周年感謝の会」を開催させていただき、多くの方々にお越しいただきました。

 

 

 

当社が大事にしているのは人と人、会社と会社のつながりであり、そのつながりが社会資本(ソーシャルキャピタル)として大きな無形の価値を生み出しているということです。

 

この感謝の会自体、さまざまな分野で活躍する人同士の交差点であり、この場を通じた接点から、すでにいくつものビジネス上のコラボレーションが生まれているとのことで、大変ありがたいと思っております。

今後もそのような場作りを進めてまいります。

 

 

新しいビジネスへのチャレンジ

2022年度は、従来より取り組んでいるビジネスをさらに質の高いものにしていくと共に、多くのビジネスパートナーとの協働をさらに増やしてまいります。加えて、SDGs分野と絡めながら、新規事業を2つ手掛けていく予定です。

 

ひとつは、スマートアグリ事業への参入です。コンテナーを活用した、温度・湿度管理を万全にした環境下での農作物の生産体制を整え、高品質の農作物を消費者の方々にお届けするビジネスモデルを、ビジネスパートナーとともに開始してまいります。すでに群馬県安中市に拠点を設け、コンテナーの設置を進めております。2022年度半ばころから商業生産開始となる予定です。

 

このほかにも、M&A等を通じての新規事業への挑戦も検討中です。

 

既存事業を強化しつつ、新規事業にもチャレンジすることで、ハピネスをできるだけ多くの方々にご提供し、明るく活力ある社会創りに貢献してまいりたいと存じます。

皆さまのお力添えを、今まで以上に頂戴する場面も出てくると思いますので、ご指導ご鞭撻のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

2022年4月吉日
㈱ソーシャルキャピタルマネジメント
代表取締役社長
小林 博之

 

 

 

一覧へ戻る

企業経営、理念浸透、SDGs推進、社内研修などに
課題を感じておられる方はまずはお問合せください

お問い合わせ