220603 京都大学経営管理大学院にて「女性の事業承継」について講義を行いました

2022-06-04

吉田佳代社長(梅乃宿酒造)、幸田博人教授(京都大学)、小林(SCM)

 

 

 

2022年6月3日(金)、京都大学経営管理大学院・経済学部・大学院経済学研究科での講義「ベンチャ ー・エコシステム」(ポラリス・キャピタル・グループ寄附講義)に登壇し、「女性の事業承継」についての講義を行いました。

 

 

 

2020年代、日本は、社会・経済構造の大きな変化にさらされています。

 

そうした中で、特に重要なポイントは、ベンチャー企業の育成イノベーションへの取り組みとされています。

 

本講義では、日本のベンチャー・エコシステムの構築を図る観点から、「ベンチャーエコシステム」のボトルネックを具体的に認識し、その課題の解決に向けたテーマを取り上げるものとして、幸田博人特別教授の指導のもとで開設されている講座です。

 

 

 

新しい企業を興すだけでなく、既存の企業においても、事業承継の過程で新しいビジネスモデルにチャレンジする、いわゆる「第二創業」の動きは近年強まっており、また事業承継においても女性が経営を承継するケースも徐々に増えてきました。

 

こうしたことから、事業承継全般の状況、その中での女性の事業承継の特徴や事例などを紹介し、さらに実際の女性の承継事例として、奈良県葛城市に本社・工場を構える梅乃宿酒造株式会社の吉田佳代社長にも一緒に登壇していただき、女性であるが故の強みを生かした承継と事業展開についてプレゼンテーションを行いました。

 

 

 

講義テーマ:

跡取り娘と事業承継
~新しいビジネスに挑戦する女性後継者たち~

 

骨子:

・ファミリービジネスの考え方 ~ファミリービジネスに誇りを!

・なぜいま「跡取り娘」か?

・成功するファミリービジネスにおける女性の役割(事例)

・梅乃宿酒造の取り組み(事例紹介)

 

 

 

受講者からは活発な質問がなされ、大変有意義な意見交換になりました。

 

 

女性の事業承継を支援する取り組みは、ことさらに女性を意識するものというよりは、最終的に男性も女性もなく、それぞれの個性と強みを、それぞれの意思と志に応じて、いかんなく発揮できる社会創りが目的です。

 

最終的には、女性の承継支援などという枠組みが必要でなくなる社会を目指して、目先は女性の承継支援を積極的に行っていきます。

 

 

 

受講者の声からほんの一部を紹介します。

 

女性が後継者として経営に取り組む事例を紹介して頂き、これまでとは異なる切り口で非常に新鮮でした。そもそも中学生・高校生のときは学級委員や生徒会長は女子だったので、社会に出るとリーダーとして活躍する女性が少ないというのは変な話だと思います。当然ながら女性は男性と生物的に違いますし、キ ャリアへの考え方も年齢を重ねるごとに変わっていくこともあるでしょう。ただ今は様々な社会的な支援を受けるサービスも出てきているし、パートナー(多くの場合、男性)が働く女性を支える家族の在り方も徐々に出てきています。やる気と能力のある女性には経営者としてどんどん活躍してもらうことは、日本の社会にとっても有益だと思います。

 

老舗企業の跡継ぎ問題が深刻化する中、それらの障壁を乗り越えて問題解決に努めようという潮流があるというお話を伺い、女性として単純に嬉しいと感じた上、より推進していくべきものだと強く実感した。

 

梅乃宿酒造の吉田社長が、ファミリー企業の経営において、様々な課題を乗り越えることに喜びを見出されていて、イキイキと楽しそうにお話されているのが非常に印象的でした。

 

長寿企業が多い日本は誇るべきだと思いますし、その中で生じている知見は、日本の政策を考える上でも非常に重要になるのではないかと考えます。世間は GAFA だのベンチャーだの、巨大化や新興企業ばかりにフ ォーカスされていますが、日本は日本でそうした潮流を受け止めつつ、独自の会社文化を創 っていくことにも注力して良いのではないかとも思います。

 

ゆくゆくは、女性経営者がどうの、といったことがなくなって女性が役員であることが当たり前、女性経営者の利点をわざわざ説明する必要もないような、真の男女平等がなされた社会になれば良いなと思う。

 

これまで男性経営者が多く締めた日本において女性経営者が新しい風を起こしてくれるのではないかという期待を持てました。また、女性経営者を据えることによって ESG 投資の観点からも企業の価値を高めてくれるのではないかと思いました。

 

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