230125 IMA価値共創研究会にて「事業承継支援」について登壇しました
2023-01-25
2023年1月25日、IMA価値共創研究会にて、ゲストスピーカーとしてお招きいただき、
「ファミリービジネスの永続的発展と事業承継支援」
というテーマでプレゼンテーションをさせていただきました。
現在、日本を取り巻く環境は、日本の人口減少など様々な社会課題、さらには、DXやカーボンニュートラル対応などの長期的な課題を意識して、「人材教育」、「人材育成」を、幅広い観点での「人材」に係る取り組みが、大変重要な局面と認識しております。IMA価値共創研究会は、そうしたことを意識して、特に、企業や個々人に係る「リカレント教育」や「リスキリング」などの「学び」に係る様々な取り組み基盤を広げていくことに貢献をしていくことを念頭に、会員組織としての研究会を実施するものです。元みずほ証券副社長で、㈱イノベーション・インテリジェンス研究所の代表取締役社長を務める幸田博人氏が代表理事を務めておられます。
今回の小林の登壇は、リスキリングの観点から、特に金融機関において事業承継支援を強化する動きがみられる中で、日本ファミリービジネスアドバイザー協会の理事・プレジデントを務める小林の立場からお話しする機会をいただいたものです。
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【小林からの問題提起】
日本では、ファミリービジネスについては後継者難から廃業の危機が叫ばれています。また、後継者難からの事業承継 M&A が急速に増加していますが、銀行、証券、M&A 仲介会社とも、自社のプロダクト、ソリューションを軸に考えるプロダクトアウト型支援が多く、真にファミリービジネスの側に立った支援が行われているのか、疑問を呈さざるを得ない場面も見られます。
では、世界ではどうなのでしょうか。米国ボストンにおける FFI Global Conference (Family Firm Institute 主 催 ) 、シンガポールの Steward Leadership Summit 2022(Stewardship Asia Centre 主催)への出席等を通じて見えた海外における動向をご紹介しつつ、日本の金融機関でのリスキリングの在り方などについて、お話をさせていただきました。
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【講演内容(骨子)】
1.「ファミリービジネス」の考え方
2.「事業承継」 世代交代のマネジメント
3.海外におけるファミリービジネスの永続化支援
4.リスキリングの観点から
5.日本の事業承継支援者(特に金融機関を念頭に)への期待
ファミリービジネスを支援するアドバイザーのあるべき立ち位置として、下記5点を強調しました。
・プロダクトアウトからマーケットイン
・対症療法から予防医療
・専門家+ホームドクターのコンビネーション
・過去分析+未来創造
・既存事業の継承+新規事業の立ち上げ(第二創業)
リスキリングの観点では、特に金融機関の方々への応援の気持ちを込めて、下記のメッセージにまとめました。
・単に会社に言われたからスキルを勉強せざるを得ない、という受け身のリスキリングではなく、自ら真に顧客に信頼され評価される人材になるための学ぼうという主体的なリカレントが求められる。
・特にシニア人材こそ、多くの企業と付き合ってきた今までの豊富な経験を活かしつつ、新しい目線で謙虚に向き合う真に信頼されるTrusted Advisorとしての進化/深化に期待している。
【参加者の声】
ファミリービジネス関連には現在直接関わっていないので、一般教養の勉強のつもりで参加しましたが、上場の大企業等にも共通する課題があることが理解できました。また、FBのトップ自身の引退の心理や後継者育成の課題と対処法についてのお話も非常に示唆に富んでおり、自分自身の人材開発ビジネス/コーチングの仕事にも役立ちそうです。貴重なお話、誠にありがとうございました。
お話を伺いながら、およそ事業というものには必ず創業者がおり、創業の志・理念があること、また、中小企業のすそ野が広がる産業構造が韓国にはない日本の強み、という話をサムスンの役員から伺ったことも思い出しました。日本の産業基盤を支える中小企業の多くがファミリービジネスと考えると、そのサポートの大切さを改めて思い知らされます。