230220 金融庁主催【Re:ing/SUM】シンポジウムに登壇しました
2023-02-21
2023年2月20~21日の間、金融庁では、日本経済新聞社との共催により、「Regional Banking Summit(Re:ing/SUM)」×「日経地方創生フォーラム」をオンラインにて開催しました。
このうち、金融庁が主催する「Regional Banking Summit(Re:ing/SUM)」は、令和新時代の地域金融(Regional Banking)について、
1.【Release】自らの”想い”と”壁”を解き放ち、関係者との相互・共通理解を醸成
2.【Remarkable】優良事例の発信・共有等
3.【Redesign】地域金融機関における変革と持続可能なビジネスモデルの構築
をコンセプトに、幅広い関係者と共に地域金融のチカラで創り出したい未来を考えるイベントです。
このうち、「事業承継を通じた地域課題の解決」というテーマのセッションに、当社の小林がパネリストの一人として登壇しました。
中小企業が後継者難に陥る中で事業承継は地域経済を維持発展させる上でも非常に重要な課題であるとともに、そこに地域金融機関が果たす役割も非常に大きいと考えます。
事業承継を「親族内承継」と「第三者承継」という二つの側面から見る中で、小林は「親族内承継」支援者の立場から、
「中小企業の後継者難はなぜ生じるのか ~適切な世代交代マネジメント~」
という内容でのプレゼンテーションを行いました。
プレゼンテーション後のパネリスト間のディスカッションも非常に熱のこもったものになりましたが、小林からは特に下記の点についてコメントしました。
1.承継を支援するアドバイザーに求められること
- T型人材(専門分野への強みを持ちつつ、顧客目線で多様な論点を同時に考えていける広い視野、そして未来を見据えてアドバイスできる高い視座)
- さまざまな専門家がネットワークを作り、ビジネス、ファミリー、オーナーシップの3つの面からの支援を考える
- オーナー経営者、後継者の両方から信頼されるTrusted Advisor
2.ファミリービジネスを支援する者として地域金融機関に求められる役割
- 長期的に中小企業と継続的に付き合う非常に重要なポジション
- 目先の売上、損益ではなく、地域経済を支える企業を育成し、成長していくことを支援するべき立場
- 長期的な視点を持って企業と付き合うことが、企業の事業素質を見極める姿勢ともつながり、まさに社会が求める「顧客本位の業務運営:Fiduciary Duty」を果たすことに
- 親世代(現社長など)だけでなく、子世代(後継者)とも早い段階から付き合い、後継者の育成にもサイドサポートしていただきたい
- 目先のフィー収入ほしさにソリューションビジネスとしてやってしまっていないか、顧客の本当に悩み、経営課題に寄り添えているか、再確認の要
- 金融機関は一般的に目に見える資産の承継に関心が向きがち、目に見えない資産が目に見える資産を創る、その事の理解が必要で、この点を地方金融機関の役割に加えたらより効果的な顧客サポートが出来る
- 優良事例も多くみられる
- そのための人材育成も重要/人格形成も含めたリカレントが重要
- 単に会社に言われたからスキルを勉強せざるを得ない、という受け身のリスキリングではなく、自ら真に顧客に信頼され評価される人材になるための学ぼうという主体的なリカレント
- 特にシニア人材こそ、多くの企業と付き合ってきた今までの豊富な経験を活かしつつ、新しい目線で謙虚に向き合う真に信頼されるTrusted Advisorとしての進化/深化に期待
地域金融機関の皆さまにとって、少しでも参考になる内容をお届けできたのであれば幸いです。