240422 地域課題解決へICT活用の事例研究:NTT e-City Labo視察
2024-04-22
当社では、SDGs推進支援を行っていますが、昨今のDXの進展を踏まえると、SDGs推進のためのさまざまな取り組みを行う上で、ICTのさまざまな技術の活用は不可欠のものと考えております。
地域課題、社会課題解決にICTソリューションを活用することで実現させていく、そのような取り組みを支援していきたいと考えています。
そのような観点から、地域循環型社会の実現に向けた多様な取り組みや実証実験を重ねているNTT東日本のe-City Laboを視察することとし、ファミリービジネスの企業経営者や企業研修・学生向け研修などに取り組む方々と共に2024年4月22日に訪問しました。
NTT東日本は、地域の皆さまと共に汗をかき、これまでに積み上げてきた通信基盤やデジタル技術を最大限活かして、地域の新たな価値を創造する取り組みを支援していく、という考え方に基づき、「地域の未来を支えるソーシャルイノベーション企業」をめざしています。ラボについても広く企業、自治体、教育関係などを幅広く受け入れてくださっています。
【見学レポート】
研究施設の構内はまるで大学のキャンパスのようです(広大な研修センターの一角がラボになっています)。 一歩足を踏み入れると、どんな未来が我々を待っているのかとワクワクします。
見学者用の建物に入り、最初に目に飛び込んでくるのは、葛飾北斎の絵をデジタルで再現したブースです。
下の写真は長野県小布施町にある岩照院の天井画『八方睨大鳳凰図』をデジタルで再現したものです。1枚1枚の絵をつなぎ合わせて描かれているのですが、木の板のつなぎ目まで20億画素で再現されており、目の錯覚でまるで本物を見ているようです。こちらはレプリカなので手で触ることが出来ます。
https://www.ntt-east.co.jp/art/hokusai-hasyo/
長野県岩照院の天井画 『八方睨大鳳凰図』 葛飾北斎
次に、eスポーツのブースへ。デジタル技術を活かして地域資源を循環させ、文化芸術・スポーツなどを通して地域の魅力を発信していく取り組みです。
eスポーツには、「勝ち負けがつくゲーム」という明確な定義があります。スマホで麻雀や将棋をやることもすべてeスポーツに該当するとのこと、気がつかないうちにeスポーツプレイヤーになっている方も多いのではないでしょうか。
eスポーツを通してどのように地域振興をしていくかというと、たとえば野球の甲子園のように、開催地の地名をつけてeスポーツの全国大会を行い、聖地化を促します。そこへ若者たちが集まり、地域経済を活性化させていくという方法があります。具体的に、横須賀市での取り組みについて詳細にご紹介いただきました。
https://www.ntte-sports.co.jp/
ほかにも、eスポーツは認知症予防にも効果があるので介護レクリエーションを行ったり、企業の新入社員同士の親睦を深めるためチームビルディングなどにも活用されています。
次に、地域の持続的な産業振興・経済成長を推進するための取り組みです。
人手不足を補い、技術の継承をサポートするためにITや通信が活用されている農業や漁業の現場を体感することができます。
遠隔営農ハウスでは、定点カメラや移動式カメラを用いて農作物の状況を常に見守ります。葉に隠れた果実や葉の裏側等、より細部まで確認が必要な箇所は、栽培スタッフが着用したスマートグラスを介して確認することができます。農業未経験の栽培スタッフは、スマートグラスをかけて両手で作業を行いながら、音声及び映像を用いて遠隔支援を受けることができます。
https://business.ntt-east.co.jp/solution/local5g/casestudy/04/
また、エネルギー分野では、「超小型バイオガスプラント」で食べ残しなどの廃棄物をメタン発酵によりバイオガスを生成することで、再生可能エネルギー(電気・熱)と液体肥料に変える取り組みを行っています。遠隔監視システムを組み込んで、IoTの活用によるデータ分析や遠隔管理による安定的な運用の実証を行っています。
https://biostock.co.jp/news/newsrelease_20220124.html
隣には「閉鎖型レタス栽培プラント」を設置し、「超小型バイオガスプラント」で得られた再生可能エネルギーを活用した、まさに「循環型エコシステム」を実現していました。
出典 : 「NTT e-City Labo」 ホームページ
このほかにも、ドローンを活用した農薬散布やカメラと組み合わせた点検・測量、次世代型店舗「スマートストアー」の開発なども行っていました。
最後に、地域の課題解決を支えるICT技術とDXの推進について見学しました。
スマートホーム世界標準規格「Matter」に基づくスマートホームの実現をめざす検証施設では、実際に遠隔操作で電気をon/offしたり、人感センサーで高齢者向けの見守りを行う実証を行っています。
多様な家電製品や住宅設備をはじめとしたスマートホーム機器を連携させて、住まいの利便性向上と高齢社会における健康で安心な暮らしを目指します。
+++++
今回訪問したNTT e-City Laboでは、「地域の魅力×みんなの思い×ICT=循環型ミライ」の実現に向けて、ここには書ききれないほど多くの取り組みが行われていました。
ソーシャルキャピタルマネジメントにおいても、SDGsの達成にむけたアクションは極めて重要と考え、企業向け、学校向け等、SDGsの浸透、実践の支援をこれからも行っていきます。